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中学受験をするにあたり、我が子をどの学校に進学させるのか。その学校選びはお子さまの将来において重要な選択であることから、多くの方が学校選びに悩まれる場面があります。今回の記事では、早稲田アカデミーが保護者の皆様へお伝えしている学校選びの方法について記載させていただきます。学校の選択は中学入試、つまりは通塾を開始される時期によって異なると思います。その中で、大きく分けて低学年~5年生と6年生の志望校選択には大きな違いがあります。今回は低学年~5年生の部分で見ていきます。

夢を定めよう、憧れの第1志望校に向けて

中学入試をご経験されている保護者の方は、ご自身の体験から学校名など事前に情報を持たれているケースもありますが、中学入試が初めての保護者さまや、そもそも関東地方のご出身でない保護者さまもたくさんいらっしゃるでしょう。あまりの学校の多さに面食らう保護者さまも多いかと思います。

低学年の間の学校選択において大切なことは、「決めるのは6年生」であって、それまでは決め切ることは難しい場面が多いということです。なので、「最終的にこの学校に行けたら、我が子は幸せに6年間を過ごすことができるだろうな」という視点が最も必要な判断材料になります。ただ、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の学校数の多さからすべての学校を見て回ることは不可能ですし、いわゆる同じ偏差値帯の中にも複数の学校があることが悩みの種かもしれません。そこでまずは具体的な学校名を上げて考えるのではなく、どういった系統の学校を選択されたいのかを保護者の方が考えてみてください。

いくつかのカテゴライズが可能です。

  1. 男子校・女子校・共学校のいずれが我が子に合うのか
  2. 進学校・附属校、つまり大学受験の有無はどうか
  3. 創立100年を超えるような伝統校がよいのか、それとも新設校か
  4. 宗教系の有無はどうか
  5. 通学距離的な面で、実際に通うことが可能なのか
  6. 学校の校風が我が子が育っていくにあたり合っているのか
  7. 学費面はいかがか。
「志望校を選択するために必要なこと」画像

思いつくままに複数のカテゴライズをしてみました。例えば、「男子校・進学校・伝統校・1時間圏内」としてみると、実はかなり学校数は絞られることが分かります。①から④の選択肢はどれが正解というものはありません。保護者の方が思う我が子の未来を想像していただきたいのです。関東の中学入試の最大の特徴は、その圧倒的な学校数にあると言えます。全国781校ある私立中の実に4割の300を超える学校が関東地方に集中をしています。学校の選択肢が多いことが中学入試の何よりも魅力であり、子供の未来を想像する保護者の方にとって、とても幸せな時間だと思います。男子校・女子校・共学校というカテゴライズ1つをとっても日本全国の高校の92.5%が共学である中、東京には男子校や女子校と共学の割合はほぼ1:1なのです。そういう意味では我が子にあった学校が必ず選択肢として存在する、この目線を学校選択の際は忘れないようにしてください。

「関東の特殊性を知る」画像
「志望校を選択するために必要なこと」画像

そして、カテゴライズして学校名が絞られてきたら、その学校の「⑥学校の校風」を見ていくようにしてください。例えば、自由な校風がよいのか、面倒見がよい学校がいいのかなどは筆頭例でしょう。各私立には必ず建学の精神があり、それがまさにその学校の魅力です。そしてこれもどれが正しいというものはありません。保護者の方が求める姿を探してくことになります。もちろんそれ以外にも、例えば女子であれば制服がどうなのかとか、親目線であれば学費の状況がどうなのかも大事な視点でしょう。そしてさらに学校が絞られれば、進学校であれば大学実績はどうなのか。単純な大学合格実績もそうですが、文系に強い・理系に強いのか医歯系に強いのかなど、こちらも学校の特色があります。附属校であれば100%に近いお子様が附属の大学へ進学できる学校あれば、他大学への進学も多い学校もあります。大きく分けた学校の中から少しずつ細かい視点を見られるようにしていくのがよいでしょう。

気になる学校を、積極的に見ておくことはとても大切「最初の学校」選びは慎重に!

小学3年生までの間は、保護者の方が主体となって学校の情報を集めるようにしてください。色々な学校をご覧いただく、学校説明会で話を聞かれることは、まったくの候補の段階としては情報収集という点で非常に重要です。直接学校に行かれると、保護者の方の印象が変わったというお話はよく伺います。一方で、小学4年~5年生になると、お子さまも積極的に文化祭・体育祭にご家族で一緒に行かれると思います。お子さまにとってはお出かけのような感覚で楽しめるイベントでしょうから、ぜひ連れていっていただくことをお勧めします。ここで1つ注意としては、お子さまを最初に連れていかれる学校の選択は慎重に行ってください。それは、最初にご覧になられた学校をお子さまがとっても気に入られるケースが多いからです。理由としては、やはり初めてみる中学・高校。それも文化祭や体育祭などの学校行事に合わせていかれることが多いでしょう。小学生にとっては、その姿は憧れのお兄さん・お姉さんとしてとても印象的です。そして、その先輩たちも気さくに「待っているよ!」って声を掛けてくださることもあります。それは嬉しいですよね。ですので、最初の1校は保護者の方がこの学校に最も行ってくれたら嬉しいと感じられている学校からお連れするとよいでしょう。

一方で、特に低学年の保護者の方に志望校選択の際に絶対にやってはいけないこととして、早稲田アカデミーではお願いをしていることがあります。それは、「現在の成績を見て志望校の選択を行う」という点です。皆様もよくご覧になったことがあると思います、「〇〇中学は偏差値●●」という一覧表です。当然、その学校が模試の中でどの位置にいる方が志願をされているのかを一覧化されていますので、重要な指標の1つであるのは間違いありません。ですが、「〇〇中学は偏差値●●」という情報はあくまで、小学6年生を対象に行った大きな母集団を抱えた模試の中で作られたデータになります。例えば小学3年生の方が受ける模試とは母集団の規模、成績分布も大きく異なります。つまり、仮に対象となる学校の偏差値が55だったときに、お子さまの学年時点でその数字が必要かと言われれば、何もデータとして機能をしていません。低学年になればなるほど、その傾向は強いと言えるでしょう。間違っても、「我が子はこんなレベルの学校を目指しても今の成績では歯が立たないからやめよう」という選択だけはしないようにしてください。だから、冒頭に挙げさせていただいた「決めるのは6年生」ということです。成績的な視点、過去問の得点状況、その年度の入試概況などを見て最終的に決めていくことになります。ですので、あくまでも我が子にあった学校を選択するという視点で見るようにしてください。

取材協力:リセマム

早稲田アカデミー中学受験部 部長

丸谷俊平