6年生の2学期は模擬試験のシーズンです。サピックス小学部では私立中学校を試験会場として選ぶこともできる模擬試験を実施しています。1つは「合格力判定サピックスオープン」。比較的オーソドックスな問題で、様々な学校への合格可能性を判定する模試です。もう1つは「学校別サピックスオープン」。開成、麻布、武蔵、桜蔭、女子学院、雙葉など出題傾向にかなり特徴のある学校の入試を模して作成した問題で、次年度の予想問題としての性質をもつ試験です。ここでは9月~12月まで全4回実施する前者の11月の模試の状況を紹介させていただきます。合格力判定サピックスオープンでは入試日の重複志願ができない第1~第4志望校と自由選択校6校の計10校を事前に登録していただき、この10校の合格可能性を判定します。
2月1日の午前校の状況を見てみましょう。まずは男子校です。(男女別の定員のある学校や男子と女子で合格点にかなり差がある共学校は男子と女子で別の判定をします。以下の、表にはそのような共学校の男子も含みます。以下同じです。)
昨年度大きく増加した慶應普通部と本郷①が今年はやや減少しています。新校舎建設などで昨年までは早稲田①が増加していましたが、今年は海城①が増加しています。昨年比で表には含まれていませんが、サレジオ学院A約118%、桐朋①約113%、城北①約117%と増加していますので、最難関校狙いのご家庭よりも、やや安全な学校を目指すご家庭が多いことが推察されます。
次に女子です。
女子は2月1日が日曜日、いわゆるサンデーショックですので、前回のサンデーショック(2014年)の志願状況を比較として含めています。例年、2月1日の午前中に入試を実施する女子学院、立教女学院、東洋英和A、横浜共立学園Aが2月2日に入試日を移動するため、1日の午前中は例年よりも受験できる学校の数が減少しています。2014年と比較すると吉祥女子①、洗足学園①、早実(女子)、頌栄女子学院①が大きく増加していることが分かります。前回は「1日桜蔭⇒2日女子学院」あるいは「1日桜蔭⇒2日フェリス」、「1日雙葉⇒2日女子学院」のような併願をする家庭が多く見られましたが、今回はやや減少して、豊島岡女子学園、鷗友学園女子、吉祥女子、洗足学園などの女子校の進学校に人気が集まっています。大学受験対策をしっかり行い、近年実績が増加し、さらに学校行事や部活が盛んで校風が明るい学校が好まれていると思われます。
次に2月2日の男子です。
昨年度は2月2日が日曜日でしたので、青山学院が3日に入試日を移動しました。今年は青山学院が2日に入試日を戻しますので大学附属校は競合が増え、倍率が軒並み低下しています。近年難化の目立つ聖光学院①が今年は減少し、栄光学園が増加しています。その中で面倒見のよい進学校として知られる攻玉社②が大きく数字を伸ばしています。
次は2月2日の女子です。2014年の渋谷渋谷②は男女合算の判定でしたので表では空欄になっています。
2月2日は前述の女子学院や青山学院などが参入するため、軒並み倍率が低下します。一方で、1日から入試日を移動した女子学院、立教女学院、東洋英和Aが大きく数字を伸ばしています。元々入試日が2日の学校は志願者が減少していますので、受験生にはチャンスが広がります。この中でも吉祥女子②が前回のサンデーショック以上の伸びを見せています。
神奈川地区では、以前のサンデーショックでは、1日のフェリス、横浜共立A、横浜雙葉が入試日を2日に移動し、代わりに例年2日の湘南白百合や鎌倉女学院などが1日に入試日を移動するのが通例でした。しかし今回は、フェリスが1日のままとなり、2024年度から横浜雙葉が1日、2日の2日間入試に変更しましたので、横浜共立Aが「1日⇒2日」、鎌倉女学院が1日に入試を新設した以外、大きな動きがありません。
次が2月3日の男子です。
昨年度は青山学院が2月3日でしたが2日に移動しました。その反動で学習院②が増加しています。ここ最近人気が低下していた筑波大附属が今年は増加しています。
そして2月3日の女子です。
サンデーショックの影響で2月1日、2日に難関校を2校受験すると、2日校の合格発表が3日にあることが多いので、2月3日の受験率は例年より高くなります。豊島岡女子学園②、鷗友学園女子②、大妻③、横浜共立学園Bなど要注意です。
ここまで、2月1日から3日の午前入試の学校について紹介しましたが、最難関校よりも安全校、偏差値よりも校風重視で志望校を選択される家庭が増加していると思われます。
ただし、例えば2月2日の女子学院は志願者こそ増加しますが、実際には2月1日の桜蔭と両方合格するお子様も少なからずいますので、結果として学校側はかなり多めに合格者を出す傾向があります。志願者が増加すると学校の入学率が下がることが多く、その分多めに合格者を出す学校や、例年より多めに補欠繰上合格を出すこともあります。見た目の数字にあまり左右されずにお子様の志望校合格を目指して頑張っていただきたいと思います。
次回は共学校、1月校、午後入試校などを紹介予定です。
広野 雅明( ひろの・まさあき )
サピックス教育事業本部本部長。サピックス草創期から、一貫して算数を指導。算数科教科責任者・教務部長などを歴任。現在は、入試情報、広報活動、新規教育事業を担当。