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失敗しない!

夏休み勉強計画の立て方3つのポイント

夏休みの勉強が大事。そう思って夏の計画を立ててもうまくいかないものです。そこで、今回は失敗しない夏休み勉強計画の立て方のコツを紹介します。

その1 夏休みを40日間だととらえない

夏休みをひとまとまりの期間として考えて夏の計画を立てると失敗します。夏休みは3つの期間に分けて計画を立てることをおすすめします。

夏休みは

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この3つの期間に分けましょう。各期間が終わる日に、その期間を振り返ります。そうすると「この期間のスケジュールは無理があったから、明日からの期間はやることをもっと絞ろう」というような振り返りをして、つぎの期間の計画を、無理がないように調整可能です。

夏休みを3つの期間に分けて計画を立てたら、それぞれの期間を1日ごとの計画に分けます。このとき親が立てた計画を子供に伝えるだけだと、子供はその計画を自分ごとにとらえられず、やる気を出せません。子供に計画を考えさせて、親はサポートをしてあげながら計画を立てるといいでしょう。

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1日ごとの計画を立てたら、毎晩、次の日にやることを、紙かホワイトボードに書いて、家族みんなが見えるところに貼るか、立てかけます。そして、1日の終わりに、今日やると決めたことがどれくらいできたかをチェックして、翌日にやることを調整します。

夏休みの計画を立てるコツは「分ける」ことです。夏休みを3つの期間に分けて、1日にやることを決めて共有しましょう。

その2 完璧な計画を立てない

子供の夏休みの計画表を見ると、ぎっしり埋まっているケースが多いです。完璧な計画です。でも、完璧な計画は失敗します。

子供は自分の能力を過大評価して、欲張り過ぎた計画を立てる傾向にあります。そこで、夏の計画を「必ずやること」と「できればやること」の2種類に分けることをおすすめします。「必ずやること」だけでもやり切れば、11月くらいからその成果が現れ始めます。

計画には最低1週間に1日は何も予定を入れない空白の「予備日」を入れることも不可欠です。「完璧な計画」は、地震が来ても揺らがない頑丈な建物のようなものです。頑丈な建物は、多少の揺れにはびくともしませんが、一定以上の揺れになると亀裂が入ります。完璧な計画は、完璧に遂行していている間は機能しますが、想定外の事態が起こったとたんに破綻します。

そこで、1週間に1日か2日は空白の日を、3日に半日は計画を空白にして、その日までにやりきれなかったことをやる日にする予備日にしましょう。本当の空白日として、受験勉強から離れて、気分転換をする日にするのも大事ですね。身体の疲れだけでなく、精神的な疲れもたまりますから、わが子が疲れ切る前に、休ませてあげてくださいね。

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空白の日を作っても、計画通りに進められない日も出てくるはずです。それでも、計画を投げ出さず、少しでもいいから、ゼロにしないで「続ける」ことが大事です。

その3 弱点を「克服」しようと思わない

「Excel父さん」「PDCA父さん」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

部下マネジメントをするようなやり方を、わが子の受験サポートに転用するような父親のことを言います。「Excel父さん」「PDCA父さん」は、子供の苦手なところを模試の結果から洗い出して、Excelに単元名を入力して、その苦手単元の学習を夏休み中に終わらせるべきタスクとして日付を入れていきます。

このような進め方でわが子にやることリストを押し付けると、やることを終えたものの、肝心の中身を理解できていないということになりがちです。

そこで、お子さんが勉強を終わらせることが目的ではなくて、理解するのが目的であることを忘れないようにしたいものです。そのためには、親がわが子をサポートする場合、親が子供に説明するだけではなくて、子供に説明してもらうことをおすすめします。

「あれ、この問題むずかしい……わかる?」

と言って、子供に頼るスタンスで聞いてみるのです。子供は、頼られると張り切るので、得意になって説明してくれるはずですよ。

苦手は、完全に克服しようと思うと、なかなか先に進まないですし、テンションも上がりません。完全な弱点克服は無理だと割り切る必要があります。

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この3種類に分けて、「△」の単元から復習することをおすすめします。理解ができていない「×」の単元は基礎の基礎を理解できれば十分です。

充実した夏休みにするための親子の対話

さて、ここまで夏休み勉強計画の立て方のコツを紹介してきました。

でも、最も大事なことは、夏休みに入る前に親子で対話することです。
「対話」というかたちで説教にならないように、
お子さんと夏休みをどう過ごすかという認識のすり合わせをすることをおすすめします。

そのうえで夏休みの中間地点でもまた対話の機会を設けると、より充実した夏休みにすることができます。お盆期間に帰省や旅行に行くご家庭も多いと思います。

そんな非日常のひととき、宿泊先や車中などで、お互い同じ景色を見ながら会話をすると、家で面と向かって話すよりも、わが子の本音を引き出しやすくなります。

上の子や下の子がいる場合は、帰省先や旅先などで、パートナーや祖父母に家の子や下の子の面倒を見てもらって、親ひとり子ひとりの2人きりで散歩などをする時間をとって、歩きながら話すのもいいですね。

充実した夏になることを応援しています!

西村創
受験指導専門家

早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wingsなどで指導歴25年以上。
新卒入社の早稲田アカデミーでは、入社初年度に生徒授業満足度全講師中1位に輝く。
駿台ではシンガポール校講師を経て、当時初の20代校長として香港校校長を務め、過去最高の合格実績を出す。 河合塾Wingsでは講師、教室長、エリアマネージャーを務める。
現在はセミナー講演や書籍執筆、「にしむら先生 受験指導専門家」としてYouTube配信(チャンネル登録10万人超)などを中心に活動。
著書は『中学受験のはじめ方』(KADOKAWA)など多数。